このあいだ出張の時にこの本を読もうと思って、
駅の本屋で一冊購入した。
本屋で「カバーはいらないよ」って言ったものの、
いざ、空港で読もうと取り出したら、
この強烈な悪人の文字。
自体が悪そうなことあらわしていること、この上ないし、
何しろ白地に血を想像するほどの赤さ。
慌てて表紙を裏返し真っ白になったものの
裏から透ける、反転した悪人の赤い文字。
読み終わった後、表紙裏返しの悪人具合でちょうどいいんじゃないかって思うくらい、本当に切ない悪人の話だった。
あの女性にしてみたら、
真っ赤な悪人として心に刻まれたのかもしれない。
いい人と悪人は実はイコールなのかもしれないな。と。
吉田修一が一皮むけたといわれるこの作品だが、
本当に、おしゃれでもなんでもなく、本当になんでもない人を
強烈に描くことができるとは、思っていなかった。
物語の面白さを追求する作品ではなく、
ただただ、読み終わった後の苦々しさを
どこにぶつけたらいいものか・・・。